ヨーロッパが世界を植民地化する以前はどんなだったのか?わかりやすく解説
▼1400年代まで
①ヨーロッパの世界侵略開始以前
▼ヨーロッパの世界侵略開始以前
世界進出を本格的に開始する前のヨーロッパは、キリスト教が支配する、非常に閉鎖的な世界でした。
当時のヨーロッパでは、現在のように国家がはっきりと別れておらず、各地域を支配する王国が存在し、それらの王国はキリスト教を国教(国の宗教)に定めて、ローマ法王庁という巨大なキリスト教団の影響下で国家を運営していました。
1400年代以前に、ヨーロッパは、一時イスラム教の勢力からの侵攻を受けて領土を奪われ、また、それを撃退し、ときには十字軍という軍隊を組織してアラブ地方へ攻め込んだりと、イスラム教徒との宗教対立が絶えませんでした。
そのため、異教徒への警戒心や異文化への攻撃性が強くあったのですが、隣接するアラブ地方よりさらに東のアジア地方への憧れも強くあり、商人たちがアラブ地方を抜けて陸路を行き来することで、アジアとの交易が細々と行われていました。
そのように、敵の勢力であるイスラム圏を通過する危険な旅により入手したアジアの国々との貿易品は、非常に高値で売買されていました。
特に、肉食であるヨーロッパ人にとって、インドをはじめとするアジアの国々でしか栽培がされていなかった「胡椒(こしょう)」などの香辛料が、食肉の保存に欠かせない必需品となっていました。
ですが、1400年代後半になってくると、次第にアラブ地方でオスマン帝国というイスラム教勢力が拡大し、キリスト教徒であるヨーロッパ人はインドをはじめとするアジアまで陸路を旅することができなくなったのでした。
そこでヨーロッパ人たちは、陸路をあきらめ、アジアの品々を求めるために、代わって海路を利用することにします。
これが、以後500年間に渡り世界中を席巻したヨーロッパの植民地争いの、そもそもの動機だったのです。
→②スペインとポルトガルの大航海時代/信長 秀吉 家康